狐火〈三屍鏡〉
一九八二の年 くもの峰あるひ
出羽 瀬ノ原山
きつねび あらわれしそうろう
あやしきは柿色の火
さだまらずうき転ずる
はるか とおき 世より の理
けせらんぱせらん〈三屍鏡〉
銅筒へ住み水銀食す しろきもの
そとへ みせてはならぬもの
それ 福 招きいれるものなり
出羽国 たきの不動〈三屍鏡〉
闇降り地蔵のさき
たたられし青銅のつるぎささるる水
夥しく怨霊ありて
なきものとす
たきたろう〈三屍鏡〉
たきたろう〈三屍鏡〉
羽黒五十塔ありし地の湖
大鳥の水に
鴻大の銀鱗在する
な を たきたろう
蝶2〈ジャスティス〉
我が家の生命
アベリアの蜜を食す
見目良い蝶
蝶〈ジャスティス〉
我が家の生命
シルバープリペットの葉にて休む
美しき蝶